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【ラッピングキャリア】保管方法で製品の品質が変わる!?

 
どうも、研削研磨.com技術担当のKです。
キャリアの破損が多いなぁ…
よくキャリアがそってるんだよね
なんて思う事ありませんか?
私は大手企業から中小企業まで様々な加工現場を
見てきましたが、
キャリアの消耗が多い企業は保管が雑なことが多いです。
特に、高級なキャリアを使って”いない“場合は
キャリアに対する意識がない人がかなり多い!!
コスト的な話ではなく、
品質的によい効果をもたらすキャリアの取り扱いについて話しますので、
しっかりと現状と見比べてみてください。
※キャリアメーカーさん…売れ行きに影響でたらごめんなさい。
 

品質に与える良い効果とは

傾きが補正される
バッチ内ばらつきが軽減される
クラッシュ(ガシャ)が軽減される
 
そんなのもともとないよと思いますか?
でもちょっと待ってください。
どのレベルでその影響が出るかが大事です。
私は16Bサイズのラップ盤を扱うことが多いのですが
バッチ内の厚みばらつきは2~3マイクロメートル以内に仕上げます。
2インチサイズでも6インチサイズでもです。
これには機械の状態管理も大きく影響していますが
キャリアを使いこなすことも
かなり重要な役割であることは間違いない事実です。
これが過剰スペックだと思うなら
ここでページを閉じていただいてもかまいません。
まず初めに、新品のキャリアについてどう思いますか?
汚れも無く
ピカピカで
信頼できるメーカーから購入した新品!!
最も状態が良いと思いますか?
そう思うなら、あなたは間違っています。
私は、新品のキャリアは品質が悪いと考えています。
ものが悪いわけではないですよ!
加工に使うにはいい状態ではないという事です。
うまく伝わっているか心配ですが…
どのメーカーのものでもだいたいそうですが、
新品のキャリアはこんな状態です。
厚みはそろっていない(JIS規格内には収まっている)
うねりがある(まっすぐな状態ではない)
切りっぱなしの状態(断面がデコボコ)
こんなことメーカーさんに言っちゃだめですよ!
規格内には収まってますし、そこまで要求すると
断られるか、高額な費用を突き付けられるか
そこまで保証はできませんとか言われるだけですからね。
なので、あなた自身で仕上げてから使ってください
ワークホール内を#1000~#2000程度のサンドペーパーでならす。
キャリア表面をラップ機で削る(両面で挟んで)
この2つだけでかなり良い状態に仕上げることができます。
このように仕上げたキャリアはより良い品質で仕上げるために
かなり重要なポイントです。
ちょっと長くなってしまいましたが、
本題に行きたいと思います。

キャリアの保管方法

キャリアの大切さについては
ここまで読んでいただいたあなたには
伝わったと信じています。
それで、そんな大切なキャリアをどうやって保管するか
と言うのが本題なのですが、
どうやって保管していますか?
空いたスペースに置いている
ひっかけて吊るしている状態
壁に立てかけている
1つでも該当したら改善の余地あり!!
です。
と、言いつつ私もやってしまうことがありますがm(__)m
これは自分自身に言い聞かせる意味も込めて書き記そうと
思っている内容です(;’∀’)
ひとつづつ説明すると
空いたスペースはきれいなのか
ほこりや、大きな砥粒が転がっていたら…Σ(゚д゚lll)ガーン
ひっかけて吊るしている
何にひっかけているのか?引っかかっている部分は
キャリアの重みでゆがんだりへこんだり…Σ(゚д゚lll)ガーン
 
壁に立てかけている
最悪です
キャリアの重みで徐々に曲がった状態が当たり前になって
いざ使おうと思ったらかなり反りあがっている状態に…Σ(゚д゚lll)ガーン
てなことになるわけです(;’∀’)
こんな状態で安心して使う事なんてできませんよね。
特にうっすい素材を加工するなんて…
しかし!!
薄物に限った話ではなく、厚い素材を加工している場合も注意です。
なぜなら、ソリのあるキャリアの設置の仕方1つで
加工時にキャリアが外に飛び出そうとしてしまうことがあるんです。
経験のない人は絶対に知っておいた方がいいことですからね。
なので、キャリアの保管場所を確保して次のようにして
保管をするようにしてみてください。
めっちゃ長持ちします!!
1.使用後のキャリアは洗って乾かす
2.乾いたらホールの位置を合わせて平置きにして保管する
3.平置きする場所は砥粒やほこりの影響が出にくい場所にする
この3つだけでも十分です。
ちなみに、「洗って乾かす」っていう当たり前のような
大したことないようなことが書いてありますが、
何故あえて1番最初に書いたかわかりますか???
理由は2つあります。
1つ目は、作業の順番的なもの(笑)
2つ目は洗うことで、砥粒等の遺物の除去と研削液残りを避けること
遊離砥粒を使っているなら、砥粒の残留は命取りになり得ます。
研削液を使っているなら、研削液でキャリア同士が貼りついて
はがす際に曲がったり破損したりします。
こんな理由もあって書いてますが、大事なことは、
当たり前のことを当たり前に行う事
がとても大事だという事です。
すでに実施している方は本当に素晴らしいです!!
私も気を付けながら、加工物と資材を大切にしていきます☆
この記事を書いた人