このブログにたどり着いたあなたは”超”ラッキーです☆
ラップ盤やポリッシュ盤の修正を理解しないで失敗する人を
たくさん見てきました。
そういった方の話を聞くとこんな話が多いんですよね。
修正キャリア入れても改善しない
どう直していいかわからない
あなたはどうですか?
今私が一番伝えたいことは
直ると直すは違う
と、いう事です。
もしかしたら、こんな内容知ってるよって思うかもしれません。
知っていれば、あなたが素晴らしいという事
知らない情報があれば、知ってラッキー☆ですね!
情報整理、レベルアップのためにも必ず読んでください。
ブックマークしてマニュアル変わりにしてもOKですよ☆
精度のもを扱っているなら精度の意識を持つ
ラップ定盤やポリッシュ定盤の修正に興味があるという事は
数μmレベル…またはナノレベルでの加工を行っていると思いますが
いかがですか?
逆に、ミリ単位での精度とか、100μmレベルの加工の場合は
時間の無駄になってしまうかもしれないので、
あ、違う…って思う方はここでページを閉じてもらってもかまいません。
さてさて、
精度の意識とはどんなことだと思いますか?
精度って言っても色々あるし、何についての精度か話してくれ
と、思うなら、この話はとても納得できる内容になっています。
レベルチェック
あなたの知識レベルはどれくらいなのか?
という事ではありませんからね。
機械の水平レベルのチェックの事です。
機械の下におまんじゅうがあって、その上のボルトが…
この話が分かる人はハイレベルかもしれません。
今ある機械をよく見てもらいたいのですが、どんな機械でも
下に隙間空いてませんか?
タンスや引き出しみたいに、どしっと置いてあるものってないと思います。
それはなぜでしょう?
・デザイン
・コスト削減
・運ぶ時に機械を入れるため
答えは水平レベル調整の為ですね。
ここで先ほどのおまんじゅうの話が出るのですが、
小さい機械であれば4本、大きくなると10本以上のねじみたいなやつで
支えられているのが見てわかります。
そのねじを回すことで、高さを調整して水平を出すんです。
水平を図るためには水平器を使うのですが、
ホームセンターにあるやつじゃだめですよ。
値段はピンキリですが、10万円前後はするもので、
1メートル当たりの傾きを見たりするもので、
1メモリ当たり、10~20μm程度の傾きを見ることができます。
それを定盤の上に置いて、ボルトを調整しては場所を変え…
を繰り返して水平を出していきます。
水平器の調整や見方についても理解をする必要がありますが、
機械メーカーさんは導入時にこんな調整を行っているからこそ
すぐに使えるようになってくるのです。
でも依頼をすると高い…
人が動きますからね(;’∀’)
そう考えると10万の水平器が高いのか安いのか…
何度も調整した入りするなら断然安いですよね!!
話を戻しますが、ここではボルト4本で支えている機械の水平出し、
調整方法を話します。
まず、高さを調整するには2つのルールを守ってください。
1.3つのボルトで調整する
2.下げながら調整はしない
どういうことか説明しますね。
3つのボルトで調整する
操作パネルや、インバーターが入っている場所などをよく見てください。
機械の重さの負荷が最もかかる場所がどこかを想像することが大事です。
制御盤のついている場所や、上定盤を吊っている支えがある場所には
大きな負荷がかかりますよね。
その中で一番負荷のかかっていない箇所はただの支えだと思ってください。
その、負荷のかかっていないボルトを緩めようとすると、
軽い機械であれば、指でも回せてしまう時があります。
それくらいのもなのでしっかりと緩めて浮かせちゃいます。
要するに他の3点(脚)で支えられている状況になりますので
その状態で水平調整をするのがベスト!!
水平器を見ながら、一番高いところに合わせて調整していきます。
3つの脚で調整後、どこを見ても水平が出ている状況になれば、
浮いた足を触れる程度に戻せば完了です。
水平器を置く場所は、枠組みではなく、定盤の上等、
精度の出ているものの上で見てくださいね。
下げながら調整はしない。
これを知らない人は意外と多いです。
ねじの仕組みを想像してほしいのですが、
ある間隔をもってねじねじ(ねじ山)が作られていますよね。
(ねじねじってどう表現すればいいんでしょう(;’∀’))
そのねじねじの間隔は、動きやすいように少し隙間が空くように設計されています。
隙間がなければスムーズに動かないので当然ですよね。
その隙間がポイントなんです。
隙間がある=動く
という事はわかると思いますが、回す方向によっては
上側にくっついて回るか、下側にくっついて回るかと言う現象が起きます。
上側にくっついて回しているという事は、下側に隙間ができる
下側に隙間ができるという事は、下に少し下がる可能性がある
という事です。
私の説明伝わってますか?
伝わっていなかったらごめんなさい。
その小さな隙間分動くだけでも、機械の水平レベルは大きく変わることがあるので
あげながら調整する
下げながら調整はしない
と言ったルールを守りながら調整をしてください。
このように、水平レベルが出すことが基本中の基本になります。
では次です。
上定盤が水平に降りてきているか
両面ラップ盤、ポリッシュ盤を扱っているのであれば、
上に吊るされている定盤がまっすぐ降りてきているかが
かなり重要です。
下盤に対して傾いた状態で加工をするという事は
機械寿命の低下
ワークへの圧力バランスが崩れる
品質の悪化
などが起こってきます。
で、何をチェックするのかという事ですが、
定盤をおろしながら次の2つについて確認してみてください。
1.定盤の内側が降ろすときにセンターキャップにぶつからないか
2.下盤とくっつく手前で止めた時に、隙間が少ないところと大いところがないか
チェックする際は乾いた状態で、
一度下定盤にくっついた状態から上盤を上げてそのまま降ろす
と言う方法をとってください。
これは、他の要因で定盤が傾いている状態を抑える方法となります。
下定盤同様、上定盤も水平に回っていることが
より良い品質で仕上げるために必要なことです。
傾きがあれば、重さを調整するなどして、より良い状態を作りましょう。
定盤修正の話はまだかよ…
と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
次のうねりの話で制度の意識については終わりです。
大事なことなのであとちょっと…おらに時間を…(古くて伝わらないかな(´;ω;`)
うねりチェック!!
その定盤はどのくらい平らですか?
という事です。
ラップ加工でもポリッシュ加工でも、定盤がどれだけ平らであるかが
かなり重要なポイントになります。
うねりってわかりますよね?
調べてみてもうねりの意味がうねりって出てくるのでちょっとびっくり(笑)
波打つような形をイメージしてもらえばいいと思います。
一見平らに見えている定盤でも大きくうねっている場合があるんです。
5マイクロメートル以下の精度で仕上げたいのに
定盤が100マイクロメートルとかうねっていたら…わかりますよね。
うねりがひどいとどうなるのか?
加工能率が下がる
要求精度を満たせない
製品が仕上がらない
考えるだけでも嫌な状況ですよね(;’∀’)
だから、定盤の修正をする必要が出てくるんです。
(やっと本題につながりました☆←ほっとしてます)
まずは精度の意識について、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
ここから本題ですね。
定盤修正の方法についてしっかりとお話していきます。
定盤修正方法と必須アイテム
これまでに、精度の意識についてお話ししてきた通り
定盤をより平らに、うねりのない状況を作るための方法です。
で、
最初に一番大切な話をします。
今の定盤の形を読み取ってください。
は?とか思わないでくださいね。
現状を知らなければ、どう直していいのかなんてわかりませんよ。
なので、定盤のうねりや形を測定して、直すべき内容をまずは理解しましょう。
という事で、定盤の形を読む方法です。
定盤形状の読み解き方
「定盤の形状って?さっきうねりがどうとか話してたしそれじゃないの?」
いい質問ですね。
これからお話しすることは、大手企業でも意外とできていない内容です。
これができているかで、あなたの会社の技術力や、管理力が
どれだけしっかりしているかと言うアピールポイントにもなりますよ。
逆にやってないとダメだしされるかも…
山(凸)、谷(凹)、船底、カモメ
急になんだ?頭おかしいのか?
と思われてもおかしくないタイトルですね(笑)
ふざけてませんよ!いたってまじめですm(__)m
これは、定盤全体を見た時の形を表しています。
まずは、2つの視点(見方)を共有しましょう。
ラップ盤、ポリッシュ盤の定盤はドーナツのような形をしていますよね。
真ん中に穴が開いた状態。
5円玉でも50円だまでもOKです。
ここではドーナツ形状としましょう。
ドーナツの全体(直径の形)を長手
ドーナツの半分(半径の形)を帯
としますのでお願いします。
ここでタイトルの内容と合わせると
山(凸):長手の形状が山のような形(中心が高い)
谷(凹):長手の形状が谷のような形(中心が低い)
船底 :帯の中心がへこんでいる
カモメ :帯の中心が高く長手で見るとカモメが飛んでいる感じ
カモメは若干無理やり感がありますが、イメージするとわからなくはないですよね?
(わかってほしい…海に飛んでるカモメを簡単に書いた絵)
測定の方法については次の動画を見てみてください。
先ほどのうねり測定の方法も一緒にあります。
山と谷は数値が大きくなければそれほど問題にはなりません。
むしろ真っ平な状態の方が珍しいですからね。
加工をしていけば、キャリアも回転しているので
自然と山か谷の形状は出てきます。
一方船底とカモメは厄介です…
平らできれいなホットケーキを作るのに、中華料理に使う鍋でできますか?
と言えばわかりやすいですかね?
帯が平らであれば、山形状でも谷形状でもある程度きれいな平が作れますが
船底とカモメはそれができなくなってきます。
で、どうやって直そうかって話です。
一番最初に「直ると直すは違う」って話をしましたが、
いつも同じような修正方法で、全ての形状を平らにできると思いますか?
出来ませんよね。
船底なら帯の内側と外側
カモメなら帯の中心
要するに高いところだけを削って平らにしていく必要があります。
※修正するときは、上定盤の形状も考えて修正する必要がありますからね。
※プレスケールなどで定盤の合致度を測るといいです。
定盤を修正するときは、キャリアの自転速度や公転速度の調整をして
落としたい箇所に一番効果のある条件を設定してください。
「ちょっとちょっとぉ、うちの機械調整できないんだけど…」
「安心してください、直せますよ!!」
おそらく定盤修正には修正キャリア(パッドコンディショナー)を
使っていると思うのですが、それってドーナツ型ですよね。
なんでそういう形をしているかわかりますか?
答えは、船底形状になりやすいからです。
一概にすべてそうとは言えませんが、加工の状態を見ればすぐにわかります。
船底形状は、修正キャリアで比較的簡単に治せますね。
でも、カモメになったらどう直すの?
って問題が残ります。
帯の中心のみ落としていきたい…
ここで注意しなければならないのが、上盤との合致の状態です。
下盤と上盤がしっかりとかみ合う状態であれば、
下盤はカモメでも、上盤は船底状態となります。
その時は、いつも通り修正キャリアを使用することで直ります。
理由は上盤の高い点2か所と下盤の中心の合計3か所でバランスが取れる
要するに、高いところどうしで支えあうので、削れるのも高いところ
と言う事です。
じゃあ、両方カモメだったら…
そもそもそんな形状にはなかなかならないとは思いますが…
実際あるんですよね(;’∀’)
カモメを直すなら帯の中心にだけ作用するドレッサーなどを使えばOK!
なにその安易な考え…
とか思わないでくださいね。
だって外周部削る必要ないじゃないですか?
中心だけ削れば解決です。
ちょっと削りすぎても、いつもの修正キャリア(パッドコンディショナー)で
追加修正すればOKですからね!!
難しく考える必要なんてありません。
原因がわかれば対策は比較的簡単だったりするんですよ。
そのためには、やはり、原因、現状をしっかりと把握し対策を練る必要がありますね。
変化を想定する
対策を打つ
これだけです!!
修正キャリアの使い方と紹介
先ほどから修正キャリアって何度か出てきましたがどんなものを使っていますか?
ラップ盤なら鋳鉄のキャリアですか?
それともDP(ダイヤモンドペレット)のついたもの?
ポリウレタンやスエードならブラシキャリアなどもありますよね。
鋳鉄のキャリアはラップ定盤によく使われていますが
大型の機械になると重くて設置もつらいのがデメリット…
軽くてドレス速度も速く使いやすい…
ウソのようでほんとの修くキャリアについて知りたい方はこちら
以上さらっと商品紹介をさせていただきましたが、大事なのは使い方ですね
ポイントは配置と圧力
4つの修正キャリアがバランスよく設置されていないと
かかる圧力のバランスが崩れて、きれいにドレッシングすることが
出来なくなります。
出来なくなる理由は
パッドなどへの負荷と
修正キャリアの厚み崩れです。
バランスよく設置しましょう!!
ドレス圧力も重要ですね。
圧力をたくさんかければいいのか
回転を上げればいいのか…
ドレス速度も重要ですが、定盤の状態を意識した条件が大切です。
機械やドレスするもの(ウレタンパッドなのかスエードなのか)にもよりますので
これ!!と言った条件は提示できませんが、
パッドの荒れ具合などから最適な条件を見つけるようにしましょう。
ちなみに弊社で扱っている修正キャリアはウレタンパッドでもスエードでも
使うことができます。
ブラシキャリアをお探しの場合でもご一報ください!!
取り扱いがございます☆
まとめ
ここまでに話した内容をすべて理解できましたか?
知っている内容も知らない内容もあったかと思いますが
一番大切なのは
きちんと理解して、きちんと対応すること
ですからね。
・状態の理解
・対策するべきことは何か
・何をどう使うか
正直ここに書いてある内容を、パッと思い出して対応するのは
かなり大変なことです。
何度も見直して頭に叩き込むか
マニュアルとして見ながら対応するか…
いずれにしても、しっかりと対応できることが大切なので
必ず暗記しなければいけないこともありません。
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