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研磨屋が比較検証!ウロコ取り製品の実力を徹底レビュー 

どうも、研削研磨.comです!
まずはおさらいから…

という流れからの、ついに鏡のウロコ取り、研磨パッドバージョン実験完了です。

3か月かけて育てた鏡のウロコ…完成!

私…育てましたよ…3か月間1日2回、毎日欠かさず水やりを続けました。
その結果…大きく立派に育ってくれたのがこちらの「鱗(ウロコ)」です!!



どうですか!?3ヵ月ってこれって凄くないですか!?
(何度も家族からの汚い!掃除しろ!との批判を浴び…)

ウロコ育成のコツ…:水分を残す

育成のコツは水分を残しておくことです。水分が蒸発すると翌日から即育成されていました。
(って事は…そもそも水分が付着しなければウロコは出来ないって事では…)

さて、それでは3か月かけて育てたウロコと5つの市販製品を使った実験の最終結果を発表します!

注意事項

本記事の結果は、あくまでも特定の条件下での検証結果です。
使用環境や方法により同様の効果が得られない場合もありますので、あらかじめご了承ください。


振り返ると「ウロコ取り」という作業自体が「研磨の削る・磨く」に近いんですよね。
ウロコの成分は、前回の通り、主に硬いカルシウムやマグネシウムの炭酸塩で、鏡の表面に付着。
これを除去するには、適切な粒径の研磨材と、ちょうど良い圧力で鏡を磨く必要があると。

ただし、ここで大切なのは「ウロコだけを削り取る」ということ。
研磨材の粒径が大きすぎたり、圧力がかかりすぎると、ウロコと一緒に鏡自体を傷つけてしまう可能性があります。
適切な粒径の研磨材を選び、力加減や磨き方に応じて適切な商品を選ぶことが必要と思います。


では…さっそく、結果を見ていきます!

1. 鏡面を制するのはどれだ!?

まずは5つの市販製品を使った比較表です。
それぞれの製品をウロコ除去率、鏡面へのダメージを独自の視点で評価しました。
Amazonの評価も参考にしつつ、私独自目線ではこんな感じです。

ウロコ除去力:星が多いほど短時間で効果的にウロコが除去されます。面積で判断します。
鏡面へのダメージ:星が多いほど、鏡へのダメージが少なく傷が目立ちにくいです。


2. 試した結果を画像で比較!!どれが一番傷を入れずにウロコを除去できる?

では実際に試した画像・数値結果です。磨きのプロとして各製品のウロコ除去、鏡へのダメージを観察してみました。
10秒でどれだけ取れるのか、20秒あればどうなのか。鏡に付ける傷はどれくらいなのか。
個人的な目線で見てどの製品が最も効果的だったのか。

社内でコッソリ検証した画像をご覧ください!


1位

すごい鏡磨き ストロング シート3枚 スコッチブライト バスシャイン MC-03+R 2P A

加工条件:手磨き 10秒×2try

加工結果
10秒後:約70%以上のウロコが除去。
20秒後:約80%以上のウロコを除去できたが、一部微細なウロコが残る。
面粗度:小傷は入るが、15㎝程離れると肉眼では見えないレベル

・感想
製品の面積が広く、広範囲を簡単に除去できる。加工抵抗は少なく取れている感覚を感じる事なく取れている。
目視で確認できる小傷はあるが、15㎝程離れれると見えないレベル。
仕上がりとしては十分キレイ。


2位

レック 鏡のダイヤモンドウロコ取り

加工条件:手磨き 10秒×2try

・加工結果
10秒後:約70%以上のウロコを除去。
20秒後:約85%以上のウロコを除去、一部微細なウロコが残る。
面粗度:小傷は肉眼でも確認でき、15㎝以上離れても見える。

・所感
この商品が一番加工抵抗を感じた。抵抗がなくなれば鱗が除去できてる証拠。感覚で取れ具合が分かる。
小さく残った粒は目視で狙って磨かないと取れないが、力は入れやすい。研磨速度は早いが小傷は見える。


3位

アズマジック鏡用強力研磨セット

加工条件:手磨き 10秒×2try

・加工結果
10秒後:約70%以上のウロコを除去。
20秒後:約95%以上のウロコを除去、小さな鱗も完全に取れる。
面粗度:小傷は肉眼でも多数確認でき、15㎝以上離れても見える。

・所感
加工抵抗は弱めで製品の面積が大きいため取れやすい。10秒間はアルミナ研磨パッドのみ、次の10秒は液体研磨材を塗布して磨くと最も除去率が高い結果となった。しかし小傷は遠目でも見える。磨き方に注意が必要。


4位

強力研磨 鏡 ダイヤモンドウロコ取り

加工条件:手磨き 10秒×2try

・加工結果
10秒後:約60%以上のウロコを除去。
20秒後:約70%以上のウロコを除去、小さな鱗が一部残る。
面粗度:小傷は目視しにくく、15㎝以上離れると見えない

・所感
加工抵抗を感じ、表層の鱗を削っている感覚が手から伝わる。
製品面積が小さいため、力が入りやすく除去力は高く感じる。ただし一部の小さい鱗が残りやすく感じる。
小傷は目視で確認出来るが15㎝も離れれば肉眼では見えない。


5位

ゾウさんのウロコ取り(サイズ小)

加工条件:手磨き 10秒×2try

・加工結果
10秒後:約50%以上のウロコを除去。
20秒後:約70%以上のウロコを除去、細かいウロコが残る。
面粗度:小傷は入るが薄く、肉眼で確認しにくい。

・所感
弱めの加工抵抗を感じる。商品面積が小さく力が伝わりやすい。
小さな鱗は取り切れない感じがあるが、小傷は入りにくい。


3. 実際にやってみた結論

どの製品もそれぞれの良さがありましたが、手軽さ、万人受けを考えると3Mのスコッチブライトが最も効果的でした。
個人的にはレック 鏡のダイヤモンドウロコ取りも「研磨感」が使いこなしたい所です。
技術職の方は好みそうな加工抵抗です。
アズマジックは圧倒的な除去力なので、仕上がりをイメージできる方が磨けば一番力を発揮しそうです。


結局、加工条件と同じで誰が行うのか?女性なのか、子供なのか、中年男性なのか、力の入れ具合は?
加工原理を知ってる方なのか、ただただ上下に磨くだけなのか、雑巾の様に拭くのか、仕上がりをイメージしながら磨くのか?によっても違ってきます。
これはまさに研磨の現場でも同じなのではないでしょうか。
その使い方だと傷が入るよーとか、それじゃ磨けないよーとか。

4.ウロコが出来ないようにするには?


鏡を磨いた後は、そもそも水が溜まらないようにするのが良いかもしれません。
洗車と同じく、「水分を蒸発させないうちに「拭き」が重要」かと思います。
研磨の洗浄工程も同じ事が言えますね!

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