どうも、週末のKです。
固定砥粒を使ってみたいと思って相談してみるとどんな答えが
返ってくると思いますか?
固定はやめておけ
まずは遊離からだ
危ないからダメだ
なんて言葉が返ってくること結構ありますが、なぜでしょうか?
おそらく今までの経験が影響しているのだと思います。
上司や技術者の経験は、とても価値あるもので、かなり重要な
ノウハウであることは確かなので、まったく否定することはできません。
でも、その人の話を聞いているだけでは、新しい取り組みが
なかなかできませんよね。
そこで、
今日は、新たなチャレンジの背中を押すための提案について
お話しようと思います。
もう、体験されているかもしれませんが、
長く研磨業界でノウハウを蓄積されてきた
技術者についての理解を示すことが一番です。
というのも、技術者の方は、これまで長い間いろいろな
研究や経験によって培ってきた技術とノウハウにより、
今の工程を確立してきたという自信があります。
工程を確立してきた自信です。
そこに突然「固定砥粒でやった方がいいと思う」なんて
言葉を投げかけたところで、いい気がしないという人が
ほとんどでしょう。
何せ今までの蓄積された経験とかを無視されたわけですからね。
だったらどうやって動かすんだよ?
って思いますよね。
それをこれからお話します。
遊離砥粒加工から固定砥粒加工へシフトするということは
かなり大がかりな変化を与えるということを理解して下さい。
これから始めるならいいですが、切り替えとなると初期投資が
それなりにかかってきます。
・遠心分離機⇒汚れを取るもの
・クーラント(研削液)
・固定砥粒用の定盤
・固定砥粒
遊離砥粒と固定砥粒は加工の方式が違うため、必要になる資材が
変わってきます。
両面ラップ盤でみると、遊離砥粒で使っている溝のある定盤などは
使えませんので、固定砥粒用の定盤の準備や、研削屑を取り除くための
遠心分離機などの費用がかかることを頭に入れておいてください。
・GCやWAなどのラップ材
・スラリータンク内の撹拌器
・スラリーの濃度管理
・加工レートの管理
・加工物の洗浄工程
一方今まで使っていたものが不要になるものも出てきます。
クーラントを使用した加工をするため、ラップ材とそれを撹拌する
撹拌器は不要になります。(タンクはそのまま使えます)
レートの管理や洗浄については後ほど説明しますね。
こういった新たに必要な資材も安いものではないので
切り替えのときの大きな壁として存在します。
これをどうやって乗り越えていくのか…
なぜデメリットを理解する必要があるかわかりますか?
絶対に問題視される部分だからです。
先ほど初期投資の話をしましたね。
⇒そんなに投資できるはずないだろ!
⇒投資するほどの価値はない
こんなこと言われたら話もできませんよね。
だからこそ、デメリットを理解したうえで「それを超える」メリットを
提案していく必要があるからです。
ざっくりと言ってしまうと
かけたコストを回収できるか
と
失敗したらどうするんだ
と、言う点についてしっかりと固めていけばいいでしょう。
はい、安いものではありませんのですぐにコストを回収できるわけが
ありません。
工場を新設するのにも何億もお金をかけて数ヶ月で元を取れるか
といえばわかりやすいですかね?
そこまで大きな投資ではないですが、交換した月に回収できるほど
甘くはない話です。
まずは、固定砥粒を試してみないことにははじまりませんが、
1枚当たりの加工費用はどの程度になるのかを考えてみましょう。
そのためには、今の加工単価を知っておく必要があります。
安ければ話しやすいですが、同等程度またはやや高めだったら
どうしますか?
前後の工程でメリットが出せるかと、良品率や人件費を
考える必要があります。
人件費でいえば、一人で何台も対応することが可能であるとか
低寸制御が使えるので、チェック回数が大幅に減りますとか
いろいろ考えられますね。
前後の工程でいえば、固定砥粒の特長の一つである
高いところしか削らない
という点ですかね。
もとの反りが小さければ、より少ない加工量で精度の良い
ラップ上がりのワークができる。
要するに、加工前の厚みを抑えることができれば、
スライス枚数も増やせて、加工時間も大幅に減るってことです。
このあたりの内容をデータ化して提案するといいですね。
もっと詳しい内容は、ぜひ相談してください。
今までの話をある程度まとめることができたら次は実行です!!
ゲームの世界でもそうですが、ボスに立ち向かうには仲間が
必要になります。
それも強力な仲間が!!
それこそが、加工のカギを握っている技術者です。
その技術者を取り込むためには、今の技術の素晴らしさを
提供してもらう必要があるんです。
ポイントはこの3つです
・まとめた内容を見てもらってダメなところを聞く
・どうなれば可能性があるかを聞く
・そのための技術的サポートを受ける
技術の人は、加工における観察力にたけている場合が
多いです。であれば、
その技術は固定砥粒にも生かせるため、技術を応用すれば
比較的簡単に答えを得られるようになります。
なので、一番の難関は、内容を見てもらうことでしょうね。
こんな感じで聞いてみるのはどうでしょうか?
固定砥粒というものが気になって調べてみたのですが、
もしかしたら、こんな場面でいい結果を得られるかもしれないと
思って内容をまとめてみたのですが見てもらえないでしょうか?
正直、初期投資が必要だったり、本当にできるのかという
不安はありますが、導入する前に、加工テストをしてみて
本当に可能性があるのかを確かめてみたいんです。
もし、可能性があれば○○さんの経験からもっと有効活用
できるように、内容をしっかり固めたいので、協力して下さい。
ポイントは3つです。
気になるから調べてみた
不安はあるけどメリットがあるからやってみたい
技術者の方がいる今しかできないと思っている
みたいな感じですね!
そして、最後のひと押し
やってみてダメならあきらめます
実はこの話は、あなたにとって技術を習得するために必要な
方法と、企画書などを作る上でのポイントを書いています。
あなたが、営業でも技術でも関係なく使える技です。
ぜひ何度も読み直して、このブログの中の隠された本質を
見抜いてみてください。
どんな人にでも話を投げかけることが可能になります☆