研磨材の保存方法や取扱い方法など、基本的な事や注意点について
※ここでの研磨材とはポリッシュで使用する微細粒径のものを指します
研磨剤(特に乾粉)を取り扱う場合水気とホコリに十分注意する必要があります。
1.水分
乾粉は水に濡れることで、水の分子間力等で凝集しようとします。
凝集が促進されることで大きな塊ができ、それが異物として加工物にキズをつけることがあります。
2.ホコリ
目に見えるホコリの粒子は10μm(100分の1ミリ)以上の大きさであり、研磨剤の粒子の10倍以上となりキズの原因となります。
梱包資材や手や衣服に付いたホコリにも十分注意が必要です。
取扱い同様、水気や誇りに十分注意した保管が必要です。
1.内袋と外袋(又は缶)
乾粉はポリ袋等の内袋と外装である外袋(又は缶)に分かれている事が多いです。
その場合、面倒でもそれぞれを別途しばるなどして、外部からのホコリ等の遮断をしてください。
2.容器の入れ替え・移し替えについて
基本的には研磨剤の保管容器の入れ替えや移し替えは行わないでください。
ホコリ等外部からの異物混入の原因になります。
1.スラリー作成時の注意点
研磨剤を水に溶く際は保管容器をひっくり返しての投入は要注意。
容器の底についたホコリなどの異物混入の原因になります。
2.温度管理
スラリーは温度の変化によって研磨値が変わる場合があります。
その為、スラリー作成後は使用機内を循環させ、機械温度とスラリー温度を一定にしておくと、温度変化による影響を抑制できます。
また、真夏や真冬など加工温度と気温の差が大きい場合は、ヒーターやクーラーを利用し、一定の温度を保つと品質が安定します。
3.濃度管理
加工条件や加工物によって最適な濃度が違います。
また、加工温度によっては水の蒸発等で濃度変化が起こるので、濃度管理は定期的に行うようにしてください。
スラリーは遊離砥粒です。濃度変化以外でも砥粒がつぶれることで研磨値の減少が起こります。濃度管理と共に交換サイクルを決めておくと効率的な研磨が出来ます。
1.産業廃棄物として処理
研磨材は産業廃棄物として取り扱いましょう。(廃棄する際には廃棄物の処理業者への費用がかかります)
2.自社で凝集処理
以下の処理を実施することで廃棄物と水に分けることが出来ます。
a.自然沈殿
b.凝集剤による凝集・固液分離
c.遠心分離
d.フィルタープレス等によるろ過
処理量が多い場合や短時間での処理をご希望の場合は凝集剤を使用した方法をお勧めしております。
(効果を確認したい方は凝集剤サンプルをご用意しております。)
凝集物を取り除いた水分は各自治体の規則に従って処理してください。
(処理状態によっては河川放流可能になり、処理コストの削減にもつながります)