お久しぶりです、研削研磨ドットコムです。
様々な事情から現場の見直しや、工程を見直す時間が増えた方も多いかと思います。
これもまた必要な時間ですよね。
もちろん自分自身の見直しも行い、問題点も分かっているのですが、治りません!
聞く所によると35歳以上で自分に変化を起こせるのはレアモンらしいです。
あぁ…また脱線してしまいました。(見直し)
さて、今回久々に記事を書いているのには理由があります。
自社では当たり前と思っている事が、他社では当たり前ではない。
これは確か社会人に必要な能力でお伝えした記憶があります。
IT企業でWordPress触れるよーと、町工場でWordPress触れるよーは価値が違いませんか?
弊社は町工場ですので、こんな私でも価値があr、ブログ書くだけで勇者ry
…環境により価値は変わるとお伝えしたアレですね。
弊社で販売させて頂いている「ストレートゲージ」もそれに当たります。
こちらの商品が最近大人気なんですが、私にとってはただの測定ゲージです。
これがなぜ売れるのか?と疑問に思いましたので、疑問部屋として分析していきたいと思います。
研削研磨界隈では金属※1のフラットバーにダイヤルゲージを複数個設置し、定盤精度を測定する物となります。
※1 定盤径に応じて、歪み・うねりのない金属素材を選定します。
弊社では事あるごとに定盤の測定を行います。
それは定盤の形状変化を常に、正確に把握する必要があると考えているからです。
ツルーイング後、ドレッシング後、加工前、加工後、その時々の定盤変化を比較し、
定盤を常時平坦に使うにはどうするか、正転逆転どちらで加工すべきか、この定盤の減り方でワークホールの位置はあっているのか、
オーバーハング量は適正なのか等を判断する材料としても使っております。
これは先人から「研磨の基礎」として叩き込ま得れました。
定盤がフラットでないと、フラットなワークは作り難いという事かと思います。
光学もそうですよね、金型があり、その型に沿ってパッドを貼り、その型のレンズが出来上がる。
金型がズレるとワークもズレる。マスターの金型が最も大切と聞きます。
そもそも定盤形状を測定せずに、フラット前提で考えるのは大変怖い事だと思いませんか?
加工機を使ってワークを加工する場合、変化の原因となる要素・考える要素は足される一方です。
スラリー状況、パッド形状、ワーク、キャリア形状、入枚数、ワーク・スラリーホール位置、オーバーハングの有無等…
これらを検証する前に、まずは前提条件を確認しておくと原因追求がしやすい・消去法がやりやすいかと思います。
実際私も、定盤がフラットであると思い込んだが故に、原因を特定出来ず、泥沼化したパターンを何度も繰り返してきました。
・定盤は出てると思うんですけど、仕上がりが良い時悪い時があるんですよねーPADが悪いんですかね?
・定盤は出てると思うんですけど、精度が悪化してきたんですよね…合致が悪いんですかね?
・定盤は出てると思うんですけど、レートが上がってきたんですよね…研磨材の濃度が少し濃いですかね?
こうなっちゃうと原因が追えないんですよね…。
「定盤は出ていると思う」が前提になっているのでそこを考えない。
そうなると、定盤以外の要素検証を行うのでそもそも解がズレる=再現性がない。
そうならない為に、ストレートゲージを使い前提条件の定盤の形状を具現化・数値化しております。
定盤精度が○○の状態で、こう加工したら、ワークはこうなった。
定盤精度は○○だから…原因はそれ以外…△△を検証しよう。
では我々はどのように測定しているのか?
例えばこちら
定盤に対して横一直線(中心にギアがある為、ほぼ直径サイズ)で5点測定しております。
両端を0とし、最外周、外周、中心、内周、最内周の5点を測定する事により
定盤直径の形状を数値化する事が出来ます。
ここまでは既に皆様されているのではないでしょうか?
ただ、私共としてはもう1点測定をおすすめしております。
そこがこちら
図のように短いストレートゲージを使用し、「帯幅(半径)」を測定します。
直径の形状が把握できても、帯幅が把握できていなければ定盤全体の形状は把握出来ません。
むしろ、加工に最も影響するのが帯幅だと考えております。
直径、半径を測定する事で定盤の全体形状を数値化し、イメージする事が可能となりました。
ここからが原因追求のスタートです。
定盤形状が悪かったのか、上下盤の合致が悪いのか等、ここから消去法を開始し、検証していきます。
そのためにも前提条件の確認をお忘れなく。
弊社ではオリジナルの加工工具パターンを作成するという商品の特性上、定盤精度把握が必須です。
その中で培った拘りのストレートゲージ、是非お試し下さい。
図面の相談だけでも大歓迎です。一緒に考えます!
疑問、お問い合わせ、反対意見もお待ちしております!
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