マンボー!研削研磨ですこんにちワ。
研磨・研削の粒径選びって難しくないですか?
研削時に▲μmに仕上げて、研磨では▲μmに仕上げる。
って言われても▲μmに仕上げるにはどのサイズの粒径を選べばいいのか分からないんですけど!!
~~~会話例~~~
上司:研削くん、これ▲μmの面付けておいてー。
研削:はいっ!粒径ってどれくらいでやればいいですか?(PADも何使えば…)
上司:えっ?そんなのなんとなく分かるだろ?
~~~ここまで~~~
いや、分からねぇすよ。
ただ、この状況って…あんまり遭遇しません。
なぜなら皆様(ワタシ以外)はなんとなく分かるから。
寧ろ、ある程度は分かっている事が前提なのです。
熟練プロの皆様は、このワークだったら…■μmの粒径を使えば▲μmぐらいに仕上がるはず。
とすぐに検討がつくのでしょうが…初心者の心を忘れないワタシはわかりません。
今回はその考え方について分解していきます!!
過去の経験や知識からワークの硬さと、粒径の大きさの関係性を知っているからこそ判断が出来るらしいのですが…
それってどういう事…?
ちょっと調べてみました所、便利なサイトがありましたよ!
多少ふざけてますけど、考える所は深く考えているみたいです。
研削主任ってヤツだけが不真面目な記事を書いてる
研削研磨.comっていうサイトの記事なんですけど…
・「酸化セリウムの選び方」にはどの視点で選ぶか?という事が書いてあります。
粒径なのか、レート重視なのか、目的に応じて選ぶという考え方。
・「硬さの関係」…にはその原理の考え方が書いてあります。
モノを削る、磨くの原理の部分です。
これらの考え方が基礎であり、そこに経験を積む事で予測に繋がっていきます。
所謂経験値と言われる所です。
ただこの基礎部分を知っていても、経験がないと予測はできません。
「研削」で具体的に考えてみます。
まず、削るためには対象ワークよりも硬い粒径を選ぶ必要があります。
研削ですので、ダイヤモンドをチョイス。
ワーク材質:青板ガラス
モース硬度 6.5
使用砥粒:ダイヤモンド(モース硬度10)
砥粒経:20~30μm
面粗度=Ry6~7μm前後
このような一つのデータを基軸に考える事が出来ます。
上記条件では面粗度はRy6~7。
では同じ砥粒種、砥粒経、対象ワークの硬さだけが変わるとどうなるのか?
ワーク材質:サファイア
モース硬度:9
使用砥粒:ダイヤモンド(モース硬度10)
砥粒経:20~30μm
面粗度=Ry2~3μm前後
ワーク硬くなるだけで、ダイヤが刺さりにくくなり、面粗度Ryが浅くなりました。
同じ様に、蛍石、石英、SiC、セラミック、アルミナ…等も素材により面粗度が変わります。
その加工データを積重ねていく事で、このワークだったらこれぐらい…と目安がつき、予測が出来るのです。
※た例外もございます。小さい砥粒でないと切れないワークもございます。ほんと難しい。
これらを背景に知った上だと、上司への返答も変わります。
~~~会話例~~~
上司:研削くん、これ▲μmの面付けておいてー。
研削:はいっ!このワークって過去に削ったデータあります?
上司:あぁ、似たようなワークの結果が○○フォルダに入ってるよ。
研削:ありがとうございます、ではそのデータを参考にやりますね。
上司:(こいつ…出来るっ!)
~~~ここまで~~~
研磨の場合は更に深い話しになります。
というのも…酸化セリウムのモース硬度は6
コロイダルシリカ6~7
あれ?この硬度だとワークよりも柔らかい場合があるのでは…モノを削る原理からは外れるような…
これが酸化セリウムのケミカル研磨!?
ケミカル研磨に関しては…論文を見てみるのも面白いです。