こんにちは。研削研磨ドットコムです。
今回から複数回にわたり「精密研磨パッド」について深く考えていきます。
私、考えすぎますので話の半分は想像の話となりそうです。
ただ実際研磨の半分は想像の世界です、見えない世界をいかに「脳内顕微鏡で拡大するか?」が持論です。
なぜこのテーマなのか?
それは若手、新入社員に研磨を教える・伝えるのが難しく、皆さま困られてるのではないかと。
我々も初心に戻る事により、ベテランの方々も「気付き」があるのではないか?
そんな思いで、まずは「精密研磨パッド」から考えていきます!
まずはおさらい、研磨パッドの効果と仕組み、その種類についてです。
その前に…そもそも研磨とは?
対象物の表面の仕上げ加工に使われる加工方法で、その手段として研磨パッドと、研磨剤等が使われます。
という定義を元に進めていきます。
研磨パッドはどのような仕組みで加工物表面を鏡面にしているのか?
研磨パッドが研磨剤を保持し、加工物表面を少しづつ削り、表面の凹凸(粗さ)を小さく細かくしていきます。
※研磨・研削共に磨く、削る等の言い方をします。研磨・磨くのだから削るではない、削ると磨くは違うという説。
※原理的には凹凸の差を小さくしているだけなのだから削っている説。
※そもそも削る、磨くもあるが、研磨はケミカル反応で溶かしている説。
※研磨パッド自体も削られながら加工物を削っていきます。
目標値(鏡面具合や、精度等)により研磨パッドの密度や、硬さを調整する事で、ラップ比べて最小限のダメージにて加工物表面を鏡面化する事が出来る。
目標面粗度、精度、加工時間等の優先順位により研磨パッドを変更・改良しその効果を調整する。
大きく3種類あります。
※細かく分類すると無限にあります、どんな布でもベニヤ板でも研磨パッドになり得ます。この世に摩耗しないものは存在しません。
スエードとはヤギや子牛の皮の裏側を摩擦で毛羽立たせたなめし革のことです。
人工皮革や合成皮革は工業製品の1種です。極細の合成繊維(ポリエステルやアクリル)の不織布に特殊なポリウレタン樹脂を塗布し、水と反応させることでNAP層を形成し、サンディング加工によりNAP層の表面を削り、仕上げ研磨に適した表面を作ります。ポリウレタンで結合された不織布またはPETシート上にNAP層を形成したタイプで1次研磨の面品質を更に高品質に仕上げるファイナル研磨に使われます。
※加工材料…ガラスディスク、フォトマスク用ガラス、液晶用ガラス、シリコン、化合物半導体など
不織布は文字通り「織らない布」です。
例えば、普段着用している服は糸を織ったり編んだりしてできた布を縫製したものです。Tシャツやスーツ、肌着などほとんどの衣類は織りや編みによって作られた布でできています。
一方、不織布は繊維を熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせることで布にしたものです。
素材にはコットンや麻、ウールなどの天然素材をはじめ合成繊維、再生繊維、さらには紙の原料であるパルプなど、あらゆるものが使われます。
硬質発泡タイプとスエードタイプの中間に位置するタイプで1次研磨用に使われます。※加工材料…セラミックス、シリコン、化合物半導体など
1次研磨用として幅広く使われるパットで、ソファーなどのクッション材として使われているウレタンフォームから作られたものです。他に比べると硬質となります。
ウレタンフォームの「ウレタン」はポリウレタン樹脂(プラスティックの1種)のことで「フォーム」は洗顔フォームにも使われますが、気泡や泡のことで、「ウレタンフォームはポリウレタン樹脂の気泡」ということになります。正式名称はポリウレタンフォームといい、一般的にはウレタンフォームと呼ばれています。
加工材料…ガラス、石英、セラミックス、シリコン等
今回はまず精密研磨パッドとは?からお伝えしました。
次回はもうちょっと専門的な部分、溝加工の種類や効果、研磨パッドの交換時期などリアルな部分をお伝えしていきます。
そして忘れてはいけません。
我々が伝えなければならないのは、「研磨の楽しさ」だという事を…!