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FILWEL社製研磨パッドで品質改善を! ~ 不織布ベースとPETベースの違い ~

前回はウレタンパッドをスエードパッドに切り替えることで、表面粗さ・面精度の良化を提案させて頂きましたが、今回はスエードパッドのベース部分に注目し、それぞれの長所を想定しながら実際に研磨評価を行いました。

現在、スエードパッドのベース層は大まかに「不織布」と「PETフィルム」の2種類があり、今回の評価はFILWEL社製パッド “ベラトリックス”の「N0178」と「NP178」を使用しました。

「N0178」のベース層は不織布、「NP178」のベースはPETフィルムとなっており、NAP層は同一の樹脂で構成されています。

■パッドの物性値は以下の通りです。
<物性一覧表>

  厚み(mm) NAP厚み(㎛) 密度(g/㎤) 圧縮率(%) 硬度(Asker-C) 開孔径(㎛)
N0178 1.00 600 0.35 2.5 78 30-60
NP178 0.72 480 0.61 1.3 82 20-60

<N0178>  

         

<NP178>

※電顕画像(断面x100)

 

■物性値から想定されるそれぞれの特徴について
★N0178(不織布ベース)
<長所>
・パッドが柔らかい為、表面粗さは細かくなる
・ワークへのダメージが少ない
<短所>
・PETベースに比べレートは低くなる
・PETベースに比べ端部形状の変化量が大きい

★NP178(PETフィルムベース)
<長所>
・パッドが固い為、ワークの沈み込みが少なく平坦度は良い
・端部形状の変化量は小さく、研磨レートも高くなる
<短所>
・不織布ベースに比べ、表面粗さは粗くなる

 

■テスト結果について
(今回も当社八王子R&Dセンターで、前回と同条件で加工テストを行っています)
★加工条件

加工機 浜井産業社製 5B両面機(2M サンギア40% キャリア正転)
加工ワーク 石英 φ36mmサイズ
使用研磨パッド

①スエードパッド N0178(不織布ベース)

②スエードパッド NP178(PETフィルムベース)

使用研磨材 酸化セリウム研磨材 ミレークHLS2-4(三井金属鉱業社製)
研磨材濃度 16.7%
その他条件 荷重:100g/㎠、回転数:60rpm

★加工結果(加工データ)

硝材 パッド 加工レート(㎛/min) Ra(㎛) Ry(㎛) PV値(㎛) RMS値(㎛)
石英 φ36mm N0178 0.553 0.0080 0.0660 0.7675 0.1375
NP178 0.581 0.0083 0.0750 0.5500 0.0800

※60分/バッチ x 4回の平均値

研磨レート
想定通りパッド硬度の影響で「NP178」の方が若干ではありますが研磨レートが高い結果となりました。

表面粗さ(Ra・Ry値)
こちらも若干ではありますが、想定通り「N0178」の方が細かく研磨出来ております。

面精度(P-V値とRMS値)と端部形状
NP178の方が低い値となっており、形状が大きく崩れることはありませんでした。
フラットネステスターの画像を見る限りでは端部形状もNP178の方がより平坦に仕上がっていました。

 

∴今回のテストでは、ある程度想定した通りの結果を得ることが出来ました。
適正な研磨条件にすることにより、それぞれの研磨パッドの長所をより一層引き出せることに繋がるのではないかと改めて実感しています。

 

■FILWEL製パッドのご紹介
今回のテストで使用したパッド以外にも多数のラインナップ製品があります
(詳細はこちらへ「精密研磨PAD《ベラトリクス》」)
★https://www.kensaku-kenma.com/page-10616★

 

■「株式会社FILWEL」について
㈱FILWEL(※エア・ウォーター㈱グループ)は、カネボウ社の研究開発部門を起源とし、
繊維・高分子技術を核としながら、精密研磨用のパッドや人工皮革などの製造・販売を行っています。(本社:山口県防府市)
尚、当社は販売代理店となりますので宜しくお願い致します。

 

👇評価用サンプルのご提供も可能ですので、是非一度お問合せをお願い致します👇
<問合せ先>
八千代マイクロサイエンス株式会社
研削研磨事業部 営業部
TEL:03-3256-6011(東京)/TEL:06-6948-6671(大阪)
E-Mail:eigyo@ymi.co.jp

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