~ ポリウレタンパッドからスエードパッドへの変更 ~
石英基板などのガラス研磨で使用されているポリウレタンパッドをスエード製へ替えることで品質改善や良品率アップを図ることが出来るのか?
この検証について、当社八王子R&Dセンターで加工テストを行ってみました。
通常、石英基板を研磨されているユーザー様ではセリウム研磨工程1段目はポリウレタンパッドを使用されていますが、今回、スエードパッド(PETフィルムベース)への変更をご提案致します。
■テスト結果について
スエードパッドに変更したことで研磨レートは約10%ダウンしましたが、表面粗さ(Ra・Ry値)は約20%の改善となり、次工程での研磨時間短縮が見込まれます。
面精度(P-V値とRMS値)については、測定が難しく、あくまで参考値として頂ければと思いますが、懸念していたスエードパッドによる面精度の悪化は見られず、ポリウレタンパッドとほぼ同等の結果を得ることができました。
(※下記、比較検証結果参照下さい)
~ 加工テスト後の比較検証結果 ~
NP515Ave. ÷ ポリウレタンパッドAve. |
|
Rate |
88.70% |
Ra |
82.54% |
Ry |
82.44% |
P-V |
68.16% |
RMS |
89.47% |
【実施テストの詳細】
比較評価に使用した研磨パッドは下記2種類となります
・ポリウレタンパッド: 某社製セリウム含浸タイプ
・スエードパッド : ㈱FILWEL製ベラトリクス NP515
※研磨パッドの物性表の比較
|
厚み |
硬度 |
ポリウレタンパッド |
0.80mm |
78(Shore A) |
スエードパッドNP515 |
0.68mm |
81(Asker-C) |
【加工条件】
研磨機 |
浜井産業社製 両面機5B (2Mサンギア40% キャリア正転) |
加工ワーク |
石英基板 φ36mm(15枚/バッチ) |
研磨パッド |
ポリウレタンパッド |
スエードパッド NP515 |
|
研磨材 |
酸化セリウム研磨材ミレークHLS2-4(三井金属鉱業㈱製) |
研磨材濃度 |
16.7% |
条件 |
荷重100g/cm2 |
回転数 60rpm |
【連続加工データ】
各パッド2日間のテストを行っており、その平均値を比較しています。
★ポリウレタンパッド
Data |
FLAT |
|||||
Rate(㎛) |
Ra(㎛) |
Ry(㎛) |
P-V(㎛) |
RMS(㎛) |
||
1Day |
1 |
0.28 |
0.0090 |
0.1010 |
||
2 |
0.29 |
0.0085 |
0.0700 |
|||
3 |
0.28 |
0.0085 |
0.0650 |
|||
4 |
0.28 |
0.0080 |
0.0670 |
|||
2Day |
1 |
0.30 |
0.0070 |
0.0580 |
1.10 |
0.17 |
2 |
0.29 |
0.0070 |
0.0650 |
0.91 |
0.13 |
|
3 |
0.29 |
0.0080 |
0.0690 |
0.97 |
0.14 |
|
4 |
0.29 |
0.0070 |
0.0630 |
1.04 |
0.13 |
|
Ave. |
0.288 |
0.0079 |
0.0698 |
1.01 |
0.14 |
★スエードパッドNP515
Data |
FLAT |
|||||
Rate(㎛) |
Ra(㎛) |
Ry(㎛) |
P-V(㎛) |
RMS(㎛) |
||
1Day |
1 |
0.26 |
0.0060 |
0.0530 |
||
2 |
0.27 |
0.0070 |
0.0565 |
|||
3 |
0.25 |
0.0065 |
0.0615 |
|||
4 |
0.26 |
0.0065 |
0.0540 |
|||
2Day |
1 |
0.26 |
0.0060 |
0.0570 |
0.69 |
0.13 |
2 |
0.25 |
0.0060 |
0.0610 |
0.67 |
0.11 |
|
3 |
0.25 |
0.0070 |
0.0590 |
0.68 |
0.13 |
|
4 |
0.24 |
0.0070 |
0.0580 |
0.70 |
0.14 |
|
Ave. |
0.255 |
0.0065 |
0.0575 |
0.69 |
0.13 |
既に、石英マスク基板やガラスディスク基板を生産している大手ユーザーではスエードパッドへの切替えを進め、品質向上を実現出来ているところが増えてきています。この機会に是非一度、お試しいただくことをお勧めします!
♦テストで使用したNP515以外のFILWEL社製スエードパッドの紹介
※ファイナルポリッシング用パッドの物性一覧
主な用途としては、石英基板やガラス製・アルミ製ディスクなど平面基板の精密研磨に幅広く使用されています。
※その他、多数ラインナップ製品あり
詳細はこちら↓「精密研磨PAD《ベラトリクス》↓」
精密研磨用PAD《ベラトリクス》
♦「株式会社FILWEL」について
㈱FILWEL(※エア・ウォーター㈱グループ)は、カネボウ社の研究開発部門を起源とし、繊維・高分子技術を核としながら、精密研磨用のパッドや人工皮革などの製造・販売を行っています。(本社:山口県防府市)
尚、当社は販売代理店となりますので宜しくお願い致します。
👇評価用サンプルのご提供も可能ですので、是非一度お問合せをお願い致します👇
<問合せ先>
八千代マイクロサイエンス株式会社
研削研磨事業部 営業部
TEL:03-3256-6011(東京)/TEL:06-6948-6671(大阪)
E-Mail:eigyo@ymi.co.jp